梅田マサノリ 展　

～ 浸蝕 erosion ～

​

浸蝕 erosion について

​

森のなかや池、草地などどこでもありそうな風景の中に設置されている柔らかな彫刻をその場との結びつきの関わりをテーマにしたいと思った。開放的でのびのびした空間を獲得し、それぞれに特徴のある周囲の情景との調和が図られるとともに、季節や天候、時刻のちがいによってさまざまな表情を見せることが良いのかもしれない。自然のなかでの作品の存在意義への問いが強く伝わってくるのも自然環境が持つ背景に大きく関係してくるのだろう。庭のすべてを感嘆して眺めている間に、「自然はわれわれの眼差しから隔てる遮蔽物である」とおもいたった、わたしはその瞬間、この庭ではその遮蔽物が霧散してしまっていることを知ったと同時に理想郷など存在しないことをすでに自覚している現代人に対しても、多くの示唆を与えてくれるのかもしれない。

​

​​